北里柴三郎のやったことを詳しく解説!破傷風菌の治療や伝染病の予防に貢献した人

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2024年に紙幣のデザインが一新されることが発表されました。

新紙幣では、一万円札は渋沢栄一、五千円札は津田梅子、そして千円札は北里柴三郎となります。

紙幣の顔に選ばれるのは偉大な功績を残した人ばかりです。

北里柴三郎はどのような功績を残したのでしょうか?

北里柴三郎のやったことについてご紹介します!

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北里柴三郎が やったこととはどんなこと?

北里柴三郎は、日本の近代医学の先駆者として知られています。

破傷風菌の純粋培養(破傷風菌だけを取り出し培養する)や血清療法の確立、ジフテリアと破傷風の抗血清開発など、細菌学で多くの功績を上げました。

国内だけで無く海外でも伝染病予防と治療に貢献した人物です。

北里柴三郎は1886年、ベルリン大学に留学し、結核菌やコレラ菌の発見で有名なロベルト・コッホのもとで研究をはじめました。

そこで、「破傷風菌の純粋培養」に成功し、師であるコッホを驚かせました。

破傷風は傷口から破傷風菌が体内に侵入し増殖すると、細菌の毒素によってけいれんなどの症状が表れ、重症に陥る疾患です。

当時、破傷風菌を単独で取り出して純粋培養ができず、有効な治療法が無かったのです。

この破傷風菌の毒素を、少しずつ動物に入れると、身体に菌の毒に対する耐性ができ、大量の毒素を注射しても発病しないことを発見しました。

この研究の成果をもとに、破傷風の血清療法を生みだし、伝染病の予防に大きく貢献することになります。

その後、この血清療法をジフテリアに応用するなど、免疫医療の先駆者として高い評価を受けました。

また、ジフテリアの研究で北里柴三郎がノーベル賞候補にノミネートされました。

受賞することは出来ませんでしたが、日本人のノーベル賞第1号に一番近い日本人だったといえるでしょう。

日本だけでなく、世界でも医療に貢献し、ノーベル賞にもノミネートされる輝かしい功績を見れば、新しい千円札の肖像画に描かれるのもうなずけますね!

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医学の先達者、北里柴三郎はどんな人?生い立ちを簡単にご紹介!

このような偉大な医学の先駆者であっ北里柴三郎は、いったいどのような人物だったのでしょうか?

北里柴三郎は、1853年に肥後の国阿蘇郡北里村(現在の熊本県阿蘇郡小国町)に生まれました。

幼少のころはかなりのわんぱくで、剣術や槍術に憧れ、また武士の家系であったこともあり、将来は軍人になることが夢だったようです。

しかし、両親のすすめで熊本医学校に進学することになります。

熊本医学校で初めて顕微鏡をのぞいたとき、拡大されたからだの組織を見て感動した彼は、「医学も学ぶに値する」と感じたと言われています。

そして上京して医学を学ぶことを決意します。

1874年、東京医学校(現・東京大学医学部)に入学し、本格的に医学の道を進むことになります。

そこで、彼は医学校で医学をただ学ぶだけではなく、日本の医療のありかたにも関心を持つようになります。

「病人を救う医療も大切だが、医療の使命は病気を予防することにある」

そう考えた北里柴三郎は、地方の病院長や医学校長ではなく、給料は少なくなっても、内務省衛生局(厚生労働省の前身)に勤めることを決めます。

ここで国民の衛生思想や予防医学について、関心を一層深め、ドイツに留学し、これからの医学に必要な細菌学を学びたいと考えます。

1886年にドイツに留学した北里柴三郎は、病原微生物学研究の第一人者であるロベルト・コッホのもとで研究を始めます。

そして、1889年に破傷風菌の純粋培養に成功し、さらにその毒素に対する免疫抗体を発見しました。

これを応用して、破傷風の血清療法を確立し、伝染病の予防に大きく貢献することになります。

1832年、帰国後に、福澤諭吉の支援の元、私立伝染病研究所を設立され、そこの初代所長に就任します。

研究所では、伝染病予防と細菌学の研究に取り組みました。

そして翌年には、日本初の結核治療専門病院で、当院の前身である土筆ヶ岡養生園を設立し、結核予防と治療に尽力しました。

また、1894年に香港で蔓延したペストの原因であるペスト菌を発見したり、脚気が栄養障害であることを突き止めるなど、次々に医学上の偉大な業績をあげています。

さらに私費を投じて私立北里研究所(現・社団法人北里研究所。北里大学の前身)を設立し、野口英世や志賀潔などの優秀な弟子たちを輩出しています。

また、1917年に、福沢諭吉への恩に報いるために慶應義塾大学医学科を創設しています。

最後は、1931年6月、東京麻布の自宅の布団で安らかに息を引き取りました。

まさに日本の近代医療の礎を築いた人物と言えます。

彼がいなければ、日本の医療はこれほど発展しなかったかもしれませんね。

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北里柴三郎の伝記・児童書

ここまで読んでいただいた方の中には北島柴三郎に付いてもっと知りたいと思った人もいるのではないでしょうか?

彼の伝記を読めばさらに理解できるかもしれません。

最近では児童書として、子どもにも読みやすい漫画にもなってたりするようです。

何冊かご紹介していこうと思います!

北里柴三郎(上)-雷と呼ばれた男 新装版

この本は上・下巻の2冊にわたり、北里柴三郎の生涯を描かれています。

ときに熊本弁丸出しで怒る北里柴三郎の姿がなんとも人間らしいです。

上巻には若き北里の姿と、その時代の有名人たちの名前も登場し、下巻になると、ペストとの戦い、そして学閥の紛争に巻き込まれていく様が描かれています。

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コミック版 世界の伝記 北里柴三郎

北里柴三郎の壮絶な生涯をコミックスにした一冊です。

子どもにも分かりやすく手が取りやすい一冊となっています。

子どもが読んでも彼の偉大な功績を理解してもらえるのでは無いのでしょうか。

親子で読んで一緒に勉強するのも面白いかもしれませんね!

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まとめ

今回は北里柴三郎のやったことについてご紹介しました。

・北里柴三郎は破傷風菌の純粋培養(破傷風菌だけを取り出し培養する)や血清療法の確立、ジフテリアと破傷風の抗血清開発など、細菌学で多くの功績を上げた。

・日本人のノーベル賞第1号に一番近い日本人だった。

・私立北里研究所を設立し、野口英世や志賀潔などの優秀な弟子たちを輩出している。

国内外問わず医療の発展に大きく貢献した北里柴三郎。

彼のおかげで救われた命はどれだけいるのでしょう?

彼がいなければ医療はここまで発展しなかったかもしれませんね。

まさに紙幣の顔になるのにふさわしい功績です。

アイキャッチ画像:出典:ウィキメディア・コモンズ・公表日:1956年(昭和31年)12月31日までに公表(著作権消滅済)

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